この言葉に関する記事がオピニオン面にありました.そもそも単に「ディスタンス」で良くね?「社会的距離」って何よ?と思っていたところ,なるほどな記事.
広辞苑に載っている「社会的距離」の意味は「集団と集団の間,個人と個人との間における親近感の強度」とあるそうな.なるほどそうね.でもこれじゃ物理的な距離じゃなくて心理的な距離じゃないかと.
感染症予防分野では「ソーシャルディスタンシング」という言葉があるようで,これは「十分な距離が感染を抑止する」という文脈で使われるそうな.だったら「ソーシャルディスタンシング」のまま使うべきでは.いつも無駄に横文字にするくせに,どうしてこれはわざわざ日本語にしちゃったかな.
アメリカの文化人類学者ホール氏が分類した,人と人とが接触するときの距離ってのがあるそうな.親密な間柄で見られる身体接触が可能な「密接距離」(~45cm),手を伸ばして握手できる「個体距離」(45~120cm),ビジネスの場で取られる「社会距離」(120~360cm),講演会での話者と聴衆くらい離れた「公衆距離」(360cm~)の四つ.この中の「社会距離」の元の表現が「ソーシャルディスタンス」みたい.