Initial Public Offering=新規公開株,ローリスクハイリターンで儲かるらしいよ.とだけ言うと,怪しい香りしかしません.NISAの手続を始めた頃に何かで知りました.
IPOってどんなものか.流れはこんな感じです.
- 新たに株(銘柄)を公開したい人が現れる.
- 専門家が「このくらいの値段(仮条件)でどうでしょ?」を決める.
- 投資家が「私だったらこのくらいで買うよ」を言う.(ブックビルディング)
- 証券会社が「じゃ,この値段にします.買う人は挙手!」となる.
- 投資家が「その値段で〇株買います!」と申し込む.その金額が一旦プールされる.
- 買える人が抽選される.
- 当選者はプール資金を取られ,株をゲット.
- 落選者はプール資金が戻ってきて,株は買えず.
- 株が公開され,他の株と同様に売買できるようになる.
ポイントは「4で設定された値段」より「9で公開された時点の株価」が高い(ことが多い)ところ.きっと,4でそんな値段を設定しておかないと,誰も株を買ってくれないからじゃないかな,と思っています.で,7で当選して株を得た人は,9の公開直後にその株を売ることで,差益を得られる(ことが多い)という寸法.
この差益ってどんな程度か.2019年の68銘柄分のデータをまとめてみました.平均利益率64%でした.20万円で買った株が公開時33万円になるってこと.でもそれって平均値よねってことで,最小と最大も挙げましょうか.最低は-13%,15万円で買った株が公開時に13万円になったケースでした.最高は277%,48万円で買った株が公開時に180万円になったケースでした.赤字黒字の件数で言うと,赤字になったのが10件,黒字になったのが58件でした.
これ,本当かしら.何か誤解しているんじゃないかしら.データの見方を間違っているんじゃないかしら.と思ったので,実際にやってみました.まだ1件しか試せていませんが,その1件,落選しました.残念.
IPOは宝くじみたいなもの,という話もありますが,宝くじより大分優秀だと思います.だって,300円の宝くじの期待値って130円くらいなんでしょ.前述と同じ表現をすると,平均の利益率が-57%ってこと.話にならんわ.