そのアンケート,どうなの?

高齢者と認知症に関する記事の付図として,「運転している途中で行き先を忘れたことがある」という人の数を表した棒グラフが載っていました.横軸は年齢です.高齢なほど人数が多いグラフになっています.このグラフを根拠に導出された主張は,「高齢なほど認知症傾向のある人が多い」だったと思います.

でも,論理が歪んでいる気がします.20歳の場合は「これまでの20年間の人生で一度でも忘れたことがある人」であるのに対し,80歳の場合は「これまでの80年間の~」となります.集計期間が4倍なんだから,仮に20歳と80歳が同じ記憶力だったとしても,高齢なほど確率的に人数が多いグラフになるのではないでしょうか.記事の主張を導くには,「この1年間で行き先を忘れたことがある」という人の数を棒グラフにする必要があると思います.

今日の産経新聞からの抜粋記事

小学校の算数をめぐり,インターネット上で話題となった画像がある.「3.9+5.1=9.0」という解答が減点になり,正解として「9」が示されているものだ.「9」と「9.0」では何が違うのかと,ネット上では論争が繰り広げられた.算数のテストをめぐっては,かけ算の式での順番でも議論になることがある.例は「4個のリンゴを6人に与える時に,必要な個数はいくつか?」の正解となる「4×6=24」.「6×4=24」では答えは正解だが,立式が不正解とされることがある.

算数嫌いにだけはしないでほしいってくらいで,正解なんてどうでもいいです.小数の有効桁については,高校生辺りからで良いと思いますし,問題文に注記が必要だと思います.かけ算の順番についても,問題文に注記が必要だと思います.もしくは,「4個のリンゴを6人に与える時に必要な個数を計算する式は?」という問題にすべきだと思います.前提が明記されていないんだから,「3÷0」は「解なし」でも「無限大」でも正解でしょう.さすがに前提がないからといって,「1+1=10」を「二進数だと正解だろ!」とゴネるのは偏屈でしょうが.